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母と子
ピエール=エドゥアール・フレール
Pierre-Édouard Frère(1819-1886) フランス
油彩 画布 左下署名と年記1861 48.5x39.5cm
うす暗く、つましい生活感を映した室内、窓際の柔らかな日差しのもとで幼児の体調を気遣う母子。本画面は、庶民生活の一断面を描写した限りではありません。ここでは、母と子の表情やしぐさ、不在を物語る父親の履物、踏み台、そして作品全体をつつみ込む色調へ至るそれぞれに、かけがえのないものが刷り込まれています。
画家ピエール=エドゥアール・フレールは生涯をかけて、貧しい暮らしの子供や母親たちが営む日常のさまざまな現実を見つづけました。その偽りのない生活実態をモティーフに、どこまでも眼差しで、本当の喜怒哀楽やユーモア、ウィットを見出して、表現の奥行きに独特の深みを刻みました。こうして画家の内面で起こった意識は、アカデミシャンとして身につけた正確なテクニックを動員した画面のなかで「人間」を問う細やかな源泉となり、絵筆の先に分泌して数々の優れた作例が生まれました。
1974年以来、美 術 波は大黒利幸によって19世紀ヨーロッパ絵画の輸入販売を専一に、手がけた意識の広がりを支えとして現在にいたりました。この間、第一次石油危機からバブル経済、リーマンショックにデジタル環境、新型コロナウィルス禍へと相次ぐ現実に全身で向き合いました。そうしたなかで、わたくし達は取り扱う作品の質を吟味し、内容を問いつづけ、作品管理の経験知を見すえたプロセスに基づく精選作品のご紹介に意を注いでいます。
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